講演終了後、会場からたくさんの質問や意見が出されました。
ここでいくつか紹介します。
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Q.施設ごとに医療行為とかヘルパーの仕事の線引きが違う。バイタルチェックぐらいはヘルパーがするという施設もあればどんなに忙しくても看護婦が必ずというところもある。施設の考えかたがあるが、糖尿病のインシュリン注射などは絶対にヘルパーはできないが、爪切り、耳掃除、などがどうなのかわからない。ひどい巻爪の利用者がいて危険を感じたので看護婦に依頼したら「こんなんあんたらの仕事や」と言われた。本当の線引きはどこにあるのか?
A..爪切りは医療行為。散髪に関しては介護保険制度を利用している時間の中では、理美容に関してはしてはいけないとなっている。行為に関しては保険利用外ではしてもいいと理解している。
爪切りは、巻き爪は一つの疾患できちんとした医療ケアが必要。だからといって介護職がやってはいけないという解釈をするのはどうか。バイタルチェックに関しても共同で仕事をしていく。介護、医療対象の高齢者が増えて、障害をもっている人、病気を持っている人、90%以上の人がなんらかの疾患を持っている。その中できれいに職域を分けてしまえば現場がまわらないのが現状だと思う。命の保障ができないような差し迫ったケースにラインを引くと命の尊厳とは何なのかということになってしまう。
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Q.ホームヘルパーです。介護者が意思表示ができない場合などは血圧を測っている。
会社は医療行為なので測らんでもいいと言う。でも会社の明確な方針はない。散髪に関しては、本当はやってはいけないという気持ちがあるが、家族はしてほしいと願っている。とても悩んでいます。
A.血圧測定は医療行為だが、今一般的に売られている血圧計を個人が家庭で購入して測定するのは医療行為の一般化となっている。最近はフットケアで足のマッサージをする機械が出ているが、あれも血行改善という医療行為だったのが民間に広がっている。しかし、命の差し迫ったケースで、ヘルパーやボランティアの医療行為を必要とする患者さんが、厚生省に医療行為を認めてほしいと求めているが、厚生労働省はいまだに見解を出していない。
入浴そのものをしてもいいかどうかの判断は、医者は数字で判断するが、ケアというのは数字で判断できるものなのか。血圧が測るたびに緊張して高くなる人もいるし、少し高いくらいでも調子がよければ入りたいときもある。
本人の日常の様子がどうなのか、本人の納得があれば数字に惑わされることなく、私としては、本人の意思を尊重したいと思う。
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Q.入浴に関してはヘルパーの介助と看護婦の介助とでは介護保険の報酬単価が違う。ヘルパーのできる一定の範囲の線引きが必要では。豊中市福祉公社では入浴に関するマニュアルを作っている。血圧測定、検温などヘルパーのでき得る行為を一定設けて、かかりつけ医に血圧の数値など聞いておいてその数字から判断している。血圧を測定するのも今は簡単に測定できるので、一定の基準をヘルパーも持つことが必要。線引きは難しいと思うが意見を聞きたい。
Q.ヘルパーの養成教員をしている。巻づめは家族がそれを日頃どうしているのか情報収集が大切と思うので、ケアマネ以上に現場にいるヘルパーが情報を取りなさいと言っている。また、ヘルパーが医療行為をしてその結果どうなるのかを考えなければならない。事故が起きたときの対処、事業所がどういった対応をしているのか知ることが大切では。
血圧を測ることは一般の人でもできるが、それを判断してはならないと教えている。日頃の個人情報の把握と情報収集の中から訪看や医師にどの範囲までなら入浴が可能かを確かめておく。また判断に困った時の連絡や対応が大切。
本人のニーズも大切だが高齢者は隠れた疾患を抱えていることがあり、本人の気持に沿って入浴したら風呂あがりに体調が急変したことも実際にあったので、チームワークを大切にすることが必要。
A.大切なことは個人で判断せず、事業所としての対応が必要だということ。豊中市福祉公社で作られているような入浴マニュアルを各施設でも作るべきだと痛感する。
本人のニーズを大切にするという点については、最初にもいったように、事業所間での連携がとれていることが前提の話です。私の勤める事業所では個人に対してのカンファレンスを持って、関係者に説明をしている。訪看がすること、ヘルパーに注意してほしいことなどを説明して連携をとっている。
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(意見)これから先、入院が人権を無視した行為に値するのではないかと外国から圧力がかかっていることもあり、介護保険と相まって在宅の傾向が強まってくる。そうなると医療行為が在宅、施設の中で出てくる。医療は、医者、看護婦、准看、という指示系統があるが、ヘルパーはない。ない中でどうやって現場をまわしていくのかが問題。1つはどこかで線を引くこと。1つは連携の中でヘルパーの教育も含めて責任の所在を明確にし、ここまではヘルパーが責任をとるということにする。どっちが利用者にとっていいのかを考えるのが前向きでは。
(意見)看護と介護は切り離せない。看護婦には介護、ヘルパーには看護が求められていると思う。病院から病気を持った人が在宅に帰ってくるし、ターミナルも増える。そうなるとますますヘルパーに医療が求められる。ヘルパーだから、看護婦だからときっちり区別するのでなく、相互に勉強をしていくことが必要では。看護だけでは足りない部分を介護で補っていこうという考えが大切だと思う。
(意見)ヘルパーの入浴介助について。ケアプランを立てるとき、ケアマネは利用者の主治医意見書を持っている。そこにはドクターからの注意事項やお願いごとが書いているので、ヘルパーはドクターには直接聞きにくいと思うが、ケアマネを通じてなら聞ける。そうやって、ドクター、ケアマネを巻き込めば連携をとれることになるし、利用者の在宅生活の質を高めることができるし、していきたいと思っている。
講師
ドクター、ナース、ケアマネを巻き込んで連携をとっていくことが大事だと思います。
サービス提供側が連携をとれていないことが結構あると思うので、それをうまく伝えるために情報の交換が必要。訪看でもドクターの指示が入院先の医師と在宅医と違うこともある。状況をきちんとつたえて担当のドクターの意見を求める。連絡ノートをつくってみてはどうか。誰でも状況を把握でき、連絡体制がつくれる。
今日のテーマは、私が答えをはっきり出せる問題ではない。大きな問題なので簡単に決められるものでもない。
私は仕事の中でスタッフにいつも言っています。「してあげる」という気持ちはだめ、ターミナルの患者さんにも、逆に学ばせてもらっている姿勢で行ってくださいと言っている。
全国老人ケア研究所の集会での鎌田恵子さんの話しですが、「ケアを提供するチームとしての総合力が特定の職種に主導権があるのではなくて相互に共同するというか、横のラインで特定の職種が突出するのではなく、主になるのは家族、本人であるのが大事。ケアをするには本人家族の主体性を基本にあるのを決して忘れてはならない」。言うのは簡単で今日の意見にもあったように、実際には困難なケースがあるがそれをするには基本を知らないと。医学知識を介護職に言うなという意見もある。それを否定はしないが、情報の提供が必要なのではないか。ケアの本質として何が提供できるか、提供できる本質になるのは何か、と考えれば心を伴ったケアが一番大事であるという話でした。
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