介護保険制度の施行に伴い、地域福祉の中核を担ってきた社会福祉協議会(社協)も大きな変革を余儀なくされています。そこで自治労は介護保険施行前後で社協の実態がどのように変わったか全国調査を行ないました。中間報告が出ましたので、労働条件に係る部分について要旨を報告します。介護保険が、登録職員をはじめとした職員の献身的な労働によって支えられている全国的な実態が明らかになり、労働組合の課題として取り組みを強化する必要があると考えています。
全国の社協のみなさん、お忙しい中協力していただきありがとうございました。
調査の時期は、2001年12月上旬から2002年1月15日、配付対象は全国の市町村社協で、回答社協は1,008ヶ所(市社協197ヶ所、町社協630ヶ所、村社協159ヶ所、不明22ヶ所)でした。
職員人員の状況
総職員数は、介護保険施行前と施行後で比べると5,526人の増であった。性別でみると、男性が532人の増であり、女性が4,008人の増であった。女性の増加率が高くなっており、このことは介護保険事業に取り組むことで、ホームヘルパー等の介護職員として女性を増やしたことによるものと推測できる。
雇用形態別の状況
「正規常勤職員」は、介護保険施行前と施行後で比べると88人の増、「正規常勤職員以外の職員」は、2,301人の増、「登録職員」は3,085人の増であった。増加率をみると、最も高いのが「登録職員」で、「正規常勤職員以外の職員」、「正規常勤職員」の順であった。介護保険施行によりホームヘルパー等の介護職員の雇用が「正規常勤」以外の雇用形態として増えた。
就業規則の改定について
就業規則は常時10人以上を雇用する事業所においては必ず作成し、労働者の代表の意見を聞き届けることが必要であるが、就業規則の改定において「無回答」と回答した社協が、一般職員で48ヶ所(4.8%)、介護保険事業職員で97ヶ所(10.7%)であり、就業規則の整備自体の状況が不明な社協もあった。介護保険事業職員の就業規則改正の状況は、一般職員と同様に「変わらない」が全体としては高くなっているが、「良くなった」75ヶ所(8.3%)や「悪くなった」43ヶ所(4.7%)と回答している社協が13%と一般職員の6.6%と倍以上の割合となっており、介護保険事業職員については、介護保険導入後、就業規則の改正をおこなった社協が多いことがわかった。
給与表の改定について
介護保険事業職員の給与表の改定の状況は、「良くなった」が9.3%、「変わらない」が75.5%、「悪くなった」が4.6%、「無回答」が10.6%であった。一般職員と同様に「変わらない」が全体としては高くなっているが、「良くなった」や「悪くなった」と回答している社協が一般職員の6.7%に比べて倍以上の割合であり、介護保険事業職員については、介護保険導入後、給与表の改正を行った社協が多い。
残業時間について
一般職員の残業時間の状況は、「減った」が1.5%、「変わらない」が56.4%、「増えた」が36.6%であり、介護保険施行後4割の社協で「増えた」と回答されている。介護保険導入社協と未導入社協別でみると、「増えた」と回答している社協は、導入社協が39.7%に対して、未導入社協は6.9%という割合であり、介護保険導入社協の残業時間が顕著に増えている。この状況は、介護保険事業職員において残業時間の増傾向がより顕著であった。介護保険事業職員の残業時間の状況は、「減った」が1.5%、「変わらない」が33.7%、「増えた」が54.3%、「無回答」が10.5%であり、「増えた」と回答した社協の割合が6割弱となっている。介護保険導入に伴い、社協の職員全体が残業時間が増え、特に介護保険事業職員の残業時間が増えている。
サービス残業について
一般職員のサービス残業の状況は、「減った」が1.1%、「変わらない」が56.3%、「増えた」が34.2%、「無回答」が8.4%で、介護保険施行後での一般職員の残業時間は、3割強の社協で「増えた」と回答されている。「増えた」と回答している社協において、介護保険導入社協が34.2%に対して未導入社協は9.8%の割合で、介護保険導入社協のサービス残業が顕著に増えている。また、介護保険事業職員においてより増傾向が顕著で、「減った」が2.2%、「変わらない」が41.7%、「増えた」が42.6%、「無回答」が13.5%で、「増えた」と回答した社協の割合が4割強となっている。介護保険導入に伴い残業時間が増えるのと同様に、残業でカバーできない業務、もしくは財源的に対応できない業務についてサービス残業が増えたものと思われる。
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